挨拶も出来なかった・・・
「髪、切ったのですね。」
彼女にそう言われたのは、よく行くコーヒーの店。
ブレバタが流れている店だ。
おととし、七夕で出会った中学時代の水泳部の後輩に偶然に再会した。
子どもや仕事の話をした時間は、とても短く、そして長く感じられた。
彼女の瞳を見つめる話し方に、目を合わせられなかった。
「○○くん、本当に同じ中学なの?」
マスターの奥さんに不思議そうに言われた。
「そうだよ・・・」
それは彼女は優秀だったし・・・
今もそうだけれど・・・
そんな彼女に先輩と呼ばれるのは、とても嬉しく思える。
そしてちょっと優越感かな。。。
ブレバタが流れるこの店。
だけどブレバタの曲さえ、思い出せない。
そういえば彼女の無邪気な声かけに、挨拶もできなかったな。。。
彼女のいたずらっぽい仕草が、とても可愛かった。
そう感じたのは彼女が過ぎ去ってから・・・
時間の流れが変わればいいのに・・・
ほんの数分前でいいから変わればいいのに・・・
そう思った。
by msn2007
hiro